アイノベックス製プラチナコロイドの安全性について
はじめに
微細な金属の微粒子をつくるには、金属の塊を砕いて微粉末にする(トップダウン)方式と、金属をガスや溶液にしてから金属の粒子を生成する(ボトムアップ)方式がありますが、ナノ粒子は特に微細なため、殆どがボトムアップ方式でつくられています。さらに、ナノ粒子を気体中でつくるのが気相法、液体中でつくるのが溶液法とよばれ、プラチナコロイドの場合は主に溶液法が使われています。
プラチナコロイドの製造方法
プラチナコロイドの製造方法は、白金を溶解させた白金塩を溶液中で還元し、白金粒子を生成する方法や溶液中の白金板にレーザー光を照射して白金粒子を生成する方法などが一般的です。しかしながら、粒子の生成条件、粒子を保護する材料や溶媒の種類、精製の方法などの違いによって、白金粒子のサイズがほぼ同じであっても、性質や用途が全く異なります。プラチナコロイドは主に工業的に使用されていますが、この場合、粒子サイズの均一化や分散性、溶媒の種類などが求められます。一方、食品や化粧品などに使用されるプラチナコロイドは、安全性や安定性が最優先となるため、それぞれの規格や規制に沿った製品化が必要です。最近、抗酸化剤等の用途として、プラチナコロイドが多くの化粧品や食品などに配合されるようになりましたが、製造会社や製法の違いによってその能力は様々で、抗酸化作用が殆ど見られない製品も存在します。また、白金粒子の安定性は保たれているものの、白金粒子が皮膚や消化管から体内に吸収される恐れがあるものや、コロイド中に低分子のイオン物質が残存するような製造方法では、安全性が確保されているとは言えません。
弊社独自の製法特許
弊社の製造方法は、食品向けのプラチナコロイドは食品用途として認められている基剤を、化粧品向けのプラチナコロイドは化粧品原料として認められている基剤を厳選し、製造の最終工程でプラチナコロイドの安全性や安定性を保証するために、分画分子量3万サイズの限外ろ過膜を使用し、膜を透過したイオン物質の除去を行っています。この限外ろ過膜を使用できるのも、厳選した基剤と弊社独自の特許製法(世界10カ国特許取得)によるものであり、アイノベックス製プラチナコロイドは優れた安全性や安定性を保証しています。
安全性について
弊社では、1996年のプラチナコロイド製造開始以来、安全性を最優先に製造を行い、科学的知見に基づく各種試験においても、毒性・危険性を示す結果、および皮膚や消化管から体内に吸収されたという結果は一切出ておりません。食品向けプラチナコロイドについては、2000年に許認可機関に物理化学的性質・安全性データ等を提出の上、食品添加物「白金」としての製造承認および清涼飲料水の製造許可を受けました。また、各種安全性試験をクリアするとともに、清涼飲料水として20年以上にわたる飲用実績があります。化粧品向けプラチナコロイドについては、白金を使用した原料として初めて、2002年にINCI(国際的表示名称)の登録を受けました。また、各種安全性試験を経て、2002年より内外を問わず数多くの化粧品メーカー様にご愛用いただき、スキンケア、ヘアケア、メイク品など数多くの製品に使用されています。
試験内容/試験方法 | 実施日 | 試験結果 | |
---|---|---|---|
1 | 単回経口投与毒性試験(限度試験) |
2007.03.21 | 毒性なし |
2 | 皮膚一次性激性試験 |
2007.03.13 | 刺激性なし |
3 | 2週間連続皮膚刺激性試験 |
2007.03.21 | 連続皮膚刺激性なし |
4 | 皮膚感作性試験 |
2007.04.05 | 陰性 |
5 | 眼刺激性試験 |
2007.03.13 | 刺激性なし |
6 | 復帰突然変異実験 |
2007.03.13 | 陰性 |
7 | 24時間閉塞ヒトバッチテスト(40例) |
2007.10.26 | 安全品に該当 |
8 | 急性経口毒性試験(限度試験) |
1996.10.08 | 毒性なし |
9 | 28日間反復投与毒性試験 |
2008.01.18 | 毒性なし |
10 | 経口投与試験 |
2005.09.12 | 吸収なし |
11 | HT29細胞による、毒性試験 |
2018.10.11 | 毒性なし 吸収なし |
12 | 経皮吸収試験 |
2005.08.08 | 吸収なし |
13 | ヒト皮膚を用いた、皮膚透過試験 |
2015.05.24 | 透過性なし |
14 | 静脈内投与試験 |
2005.12.26 | 体内から速やかに排泄される。 生体への影響なし |
15 | 細菌による、毒性試験 |
2005.08.08 | 毒性なし |
